2019年07月23日

アナンシ物語

ジャマイカ民話を祖母から聞いて育った、パメラ・コールマン・スミスは画業の他に演劇としてアナンシ物語を演じて観せたという。


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森の中で動物たちが一番強いのは虎で、一番弱いのは蜘蛛のアナンシという。

アナンシがと虎の処に行って、「ぼくたちはあなたが一番強いことを知っています。だからあなたの名前をいろんなものにつけているんです。トラひげとかトラねことか。そしてみんなはぼくが一番弱いと知っています。虎さん、どうか一番弱いものにちなんだ名前をつけてください」と頼み込んだ。


「わしの言うこときいたらいろんな話におまえにちなんだ名前をつけてやろう」と虎はいい、蛇を生きたまま連れてこいと条件をだした。

「虎さん、あなたの言うことをききます」

アナンシが言うと、動物たちと虎は大きな声で笑う。


月曜日、あれこれ考え素敵な計画を思いつき、アナンシは木の蔓で罠を作る。

火曜日、蔓の輪のなかに、蛇の好物のイチゴを置いて捕まえようとするが、蛇の体が重すぎて失敗する。

水曜日、地面に深い穴をほり、穴の傍にを油で滑りやすくして、バナナをおいた。だが尻尾を木の幹に蛇は巻きつけてバナナを食べてしまった。

木曜日、別の罠を作り卵を入れたが、またもや蛇を捕まえられない。

金曜日、一日中考え込むのだった。


最後の土曜日、蛇は「おまえはこの1週間ずーとおれを捕まえようとしていたな。俺はどうしてもお前を殺すからな」。アナンシは「そうです。あなたをつかまえようとしましたが、つかまえられませんでした。あなたはかしこいですね。とてもかないません。ところでぼくにはあなたが世界で一番長い動物で竹よりも長いというのが、どうしてもわからない」という。


蛇はアナンシの指差す竹より長いと自慢して、体を一杯に伸ばして見せた。どうも竹のほうが長いように見えるとアナンシがいうと、蛇とは竹を切り倒して近くに持って来いという。

「あなたがうごきまわるので、竹よりも長そうにみえるが、本当は竹のほうがながそうだ」

アナンシに蛇は怒った。

「おれの尻尾を縛れ。おまえが何と言おうとも俺のほうが竹よりも長いんだから」

アナンシは尻尾を竹の端へ、蛇がずり下がらないように体の真ん中も縛る。そして頭も竹に結び付けてた。

こうしてアナンシは一人で蛇を捕まえて、虎の処へ差し出したのだった。それから動物たちは、もうアナンシを笑うことはなかった。【終】

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posted by pengiin at 18:39| 東京 ☀| Comment(0) | フォーロアー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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